SEARCH CATEGORIES ARCHIVES

icon ALPS MD1300 での印刷 30 Oct 2004

自家製絵本、ポストカードなど全ての印刷をこのプリンタで行なっています。購入したのが 98 年末なのでもう 6 年前の機種になりますが、インクリボンによる耐光性の強さ、普通紙でもまったく滲む事の無い特性、特にモノクロプリントでのシャープで黒々とした再現性は何回眺めても飽きる事がありません。最近でこそ毎夜のように印刷していますが、何ヶ月放置しておいても何事も無かったかのように印刷を始める姿には感動すら覚えます。写真画質での印刷再現という点では最近のインクジェットプリンタの足元にも及ばないかも知れませんが、自分の様なグラフィックイメージの印刷においては大した問題ではありません。しかし、この MD シリーズも数年前に店頭販売から撤退し、インクリボンなどの消耗品をいつまで生産してもらえるのか分からない、不安な状況となっています。もしその時が来たら、またはこれ以上の印刷品質を望む時が来たら、カラーレーザープリンタを選ぶ他は無いと考えています。
この素晴しい MD 1300 ではありますが、色調の再現性には若干の癖があります。もちろん低価格な民生機な訳ですから当然なのですが、トーンカーブが均一では無かったり、再現性の低い色調領域があったりします。更にデザインを行なっている作業機が 7 年前の中古 ThinkPad 560X で、その液晶画面の色調再現は MD 1300 以上にまったく当てにならない様な代物です。その為、ThinkPad 560X の画面上で色決定されたデザインをそのまま MD 1300 で印刷してみると、まったく想定外の色調で印刷される場合が往々にしてありました。
そこで今回の自家製絵本 MTWINS BOOKS 関連のデザインを見直すにあたって、最初に色調再現の計画を練るところから始める事にしました。まず ThinkPad 560X の画面上で MTWINS BOOKS に使用する基本 24 色の CMYK 設定を吟味し、MD 1300 から印刷してみます。当然、思った色調では印刷されないので MD 1300 の印刷特性に応じた CMYK 設定の調整をしては試験印刷を繰り返します。十数回の印刷実験から何とか妥協できる MD 1300 用の CMYK 設定を得る事が出来ました。これで ThinkPad 560X の画面上での CMYK 設定と、MD 1300 で印刷する場合の CMYK 設定が各々基本 24 色分揃いました。
基本 24 色の CMYK 設定対応表が出来れば、後は印刷用データの全色指定を MD 1300 用の設定に変換すれば良いのです。幸い自分は Linux 上の Basilisk II で Mac OS 用の Illustrator を使用しているので、変換作業は Linux 上で行う事が出来ます(Mac OS X なら、それだけで可能ですね)。いかにも素人臭い、要領の悪そうなシェルスクリプトを組んで、コマンド一発で特定のファイル、または特定のフォルダ内の全ファイルから印刷用のファイルを自動生成するようにしました。このスクリプトでは、最初に目的の Illustrator(PostScript)ファイル "test.ai" の改行コードを UNIX 用に変換し、次に ThinkPad 560X 用の CMYK 設定で指定された全ての基本 24 色を MD 1300 用の CMYK 設定に sed で変換し "test-PRINT.ai" として出力します。これだけではアイコンや用紙設定などの情報が反映されないので、不可視ファイルである ".finf/test.ai"、".rsrc/test.ai" も各々 "test-PRINT.ai" としてコピーします。何の工夫も無い単純なスクリプトではありますが、このスクリプトが無ければ、とても手作業で全てのファイルの全ての色指定を確認して、修正する事など出来なかったと思います。これも全て M+ BITMAP FONTS や M+ OUTLINE FONTS で頂いたスクリプト面でのご指摘、ご協力を参考として実現できた訳で、大変に感謝しております。

powered by blosxom.